イノセンス

2004年10月11日 映画
唯一部屋にある漫画は大友克洋のAKIRAと士郎正宗の甲殻機動隊。
小説でも漫画でもアダルトビデオでも映画でも、一回みたらそれで終わり、読み返したり再度見たりはしないが大友克洋と士郎正宗は何度読んでも飽きることがない。
で、その甲殻機動隊の映画「イノセンス」をみた。
監督は前作のGHOST IN THE CELLに引き続き押井守。
「GHOST IN THE CELL」のテーマは高度な人工知能に魂は宿るのか、そもそも人間の魂とはなんぞや・・・みたいなそんな感じで、今回の「イノセンス」のテーマは前作を踏襲しつつ、人間と人形の疑似性から人間の儚さを憂う、みたいなそんな感じ。

「女の子が子育てごっこに使う人形は実際の赤ん坊の代理や練習だいではない。
女の子は決して育児の練習をしているのではなく、むしろ人形遊びと実際の育児が似たようなものなのかもしれない。つまり子育ては、人造人間を作るという古来の夢を一番手っ取り早く実現する方法だった・・・そういうことにならないかといっているのよ」
「子供は人形じゃない!」

映像技術でいえば車のボディーに映り込む景色とか、立体的に見える鳥がカメラを引いていくと壁画になるなど、地味だが技術的には高度なシーンがあって、ディズニーアニメではお目にかかれない日本人的な細部のこだわりが多々ある。

映画を見る前に甲殻機動隊のコミック1巻と前作の映画「GHOST IN THE CELL」を熟読視聴してから見るべし。いきなり見ても話についていけない。

カンヌの客は理解できたのか。

人々が電脳化された近未来。少女型の愛玩用ロボットが暴走し、人間を殺傷するという事件が頻発する。それを捜査する公安9課の刑事バトーは、自らの脳にハッキングを受けるという妨害を受けながらも、真実に近づいて行く…。1995年に公開された『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の直接的な続編であり、押井守監督のアニメ作品としても9年ぶりとなる、全世界待望の1作だ。前作の主人公、草薙素子ももちろん“登場”する。
美麗なCGで彩られる画面の情報量も、サスペンス調の本筋を時に逸脱して語られる“禅問答”の量も、前作を遥かに凌駕。躊躇なく難解な一方で、バトーという寡黙なサイボーグに感情移入しやすい味付けがなされているのが今作のミソだ。そうして描かれる“未来”は、機械とネットに支配されながらもこの上なくウェット。それこそが、前作が提示した“人間とは、魂とは何か”という問いへの渾身の回答なのだろう。

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